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【19.02.27】 アフガン・イラク戦争 派兵自衛官 自殺40人

「戦地」派兵でさらに 専守防衛の自衛隊を海外に派遣するからです!

   アフガニスタン、イラクの両戦争に派兵された自衛官の自殺者が2014年3月末時点で少なくとも40人にのぼることが分かりました。政府答弁や防衛省の回答によるもの。国民平均に比べ約3〜16倍、自衛官全体と比べても約2〜10倍の高い割合で自殺者が出ています。

 安倍政権は解釈改憲で本格的な「戦地」派兵に道を開こうとしていますが、現場の自衛官をさらに追い詰めることになります。
 自民党政権は、01年9月の米同時多発テロを契機としたアフガニスタン戦争に、同年11月から海上自衛隊を派兵。海自はインド洋上で米艦船などへの給油を約8年間にわたり実施しました。
 防衛省によると、新テロ特措法(補給支援特措法、10年1月失効)によるインド洋への派兵を経験した海上自衛官の自殺者は現在までに4人です。旧テロ特措法(07年11月失効)で派兵された海上自衛官の自殺者数については当時の文書が残っておらず不明としていますが、政府は07年11月の答弁書で8人が自殺していることを明らかにしています。
 米国の先制攻撃で開戦したイラク戦争(2003年開戦)への派兵では、陸上自衛官が20人、航空自衛官が8人の計28人が自殺しています。
 自衛官全体の自殺者数は隊員約22・5万人に対して79人で、2842人に1人の割合です(12年度)。内閣府統計によると、全国の自殺者はおよそ4672人に1人(13年度確定値)です。これに対し、インド洋、イラクに派兵された自衛官の自殺は280〜1362人に1人となっています。(表)
 しかも、これらはのべ派兵人数をもとに算出したもの。実際は1人の自衛官が数次にわたって派兵されており、実態としての自殺率はさらに高くなります。防衛省は自殺と派兵の因果関係については「わからない」としています。
 アフガニスタン・イラクの両戦争に派兵された自衛官の自殺率の異常な高さは、日本が参戦した二つの「対テロ戦争」による“見えない犠牲者”の存在を改めて浮き彫りにしました。今後、安倍政権が憲法9条を破壊して「海外で戦争できる国」づくりを進めれば、現場の自衛官は命の危険に直面するだけでなく、さらに強い精神的ストレスにさらされることになります。
 インド洋、イラクに派兵された自衛官の自殺率は、自衛隊全体の率を大きく上回っており、派兵との因果関係を考えざるをえません。
戦場の恐怖
 高い自殺率を示すのが、イラクに派兵された陸上自衛官と航空自衛官です。陸自のイラク宿営地付近では迫撃砲やロケット弾とみられる攻撃が十数回におよび、空自が行った米兵などの空輸活動も、地上からのミサイル攻撃に狙われながらの任務でした。
 高い自殺率の背景には、このような戦場での恐怖によるストレスが何らかの影響を与えたことが考えられます。
 一方、インド洋上での補給活動にとどまった海上自衛官でさえ国民平均の約8倍という割合で自殺しています。07年7月には派兵中の艦内で自殺事件も発生。戦場でのストレスにとどまらない、自殺の原因の複雑さを示しています。
 自衛隊には平時から弱い立場の自衛官を自殺やうつに追い込むような人権無視の体質があります。例えば、イラク派兵から帰国後の05年11月に自殺した航空自衛官は、派兵による業務の肩代わりを理由に、上司からいじめを受け、自ら命を絶っています。
不問の自公
 何より重大なのは、数字上、派兵との因果関係が明らかでありながら、防衛省が一貫して「因果関係はわからない」としていることです。
 自公政権は自殺の因果関係を不問に付してきただけでなく、二つの「対テロ戦争」への日本の支持・参戦の是非に対する検証すら怠ってきました。
 現在も増え続ける“見えない犠牲者”の存在すら解明しないまま、新たに「戦地」に自衛官を送り込む「閣議決定」には、人知れず命を絶った自衛官に報いるべき一片の正当性もありません。
 (池田晋)

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